有機溶剤とは?

有機溶剤とは

有機溶剤とは、他の物質を溶かす性質を持つ(油脂や樹脂などを溶解するために使用される)有機化合物の総称で塗料やインク、接着剤などの希釈や、金属部品・電子部品の洗浄など幅広い用途で使用されており、製造業において欠かせない材料のひとつです。

水も溶剤の一種ですが、有機溶剤は水では除去しにくい油脂や樹脂の洗浄に適している点が特徴です。そのため、塗装工程や印刷工程、洗浄工程などで広く利用されています。

代表的な有機溶剤には、IPAイソプロピルアルコール、イソプロパノール)、アセトン、トルエン、キシレン、酢酸エチルなどがあります。

有機溶剤の主な種類

有機溶剤にはさまざまな種類があり、化学構造や性質によって分類されます。
種類によって洗浄力や乾燥性、安全性などが異なるため、落としたい汚れに応じて使い分けられています。

分類 代表的な有機溶剤 主な特徴
アルコール類 IPAエタノール、メタノール 乾燥が早く、電子部品洗浄や脱脂洗浄によく使用されます
ケトン類 アセトン、MEK(メチルエチルケトン) 樹脂や有機物を溶解する力が強いです
炭化水素類 トルエン、キシレン、ヘキサン(ノルマルヘキサン) 油脂の除去能力に優れます
エステル類 酢酸エチル、酢酸ブチル 塗料・インキ・接着剤などに洗浄・希釈に使用されます

同じ有機溶剤でも性能や危険有害性が大きく異なるため、用途だけでなく法規制や安全性も考慮して選定することが重要です。

有機溶剤はどのような用途で使われる?

有機溶剤は製造業を中心にさまざまな工程で使用されています。最も身近な例としては、塗料の希釈、印刷インキの調整、接着剤の溶剤、金属部品や機械部品の洗浄などがあります。
また、自動車、電子機器、医療機器、半導体などの製造現場でも広く利用されており、品質や生産性を支える重要な役割を担っています。

このように有機溶剤は多岐にわたる製造工程で利用されていますが、一方で作業環境や安全衛生への配慮も必要になります。

電子部品・実装工程における有機溶剤の使用例

電子部品やプリント基板の製造工程でも、有機溶剤は広く使用されています。
例えば、はんだ付け工程で使用されるはんだフラックスの除去や、メタルマスクに付着したはんだペーストの洗浄、パレットなどの治具やリフロー炉内のメンテナンス洗浄などが代表例です。

実装現場ではIPAイソプロピルアルコール)やアセトンなどが使用されることがありますが、近年は環境への負荷や法令対応、作業環境の改善の観点から、水系洗浄剤や有機則非該当洗浄剤への切り替えが進んでいます。

洗浄対象や汚れの種類、洗浄方法によって適切な洗浄剤は異なるため、洗浄性能だけでなく安全性や法令対応も含めた選定が重要です。

有機溶剤のリスクと注意点

有機溶剤は優れた洗浄力や溶解力を持つ一方で、適切に管理しなければ健康障害や火災事故につながる可能性があります。

多くの有機溶剤は揮発しやすく、作業者が蒸気を吸い込んでしまうことで頭痛やめまいなどを引き起こすことがあります。また、皮膚から吸収される物質もあるため注意が必要です。さらに、可燃性(引火性)を持つ有機溶剤も多く、保管や取り扱い方法を誤ると工場火災や爆発のリスクがあります。

    【注意点】
  • 蒸気の吸入による健康障害
  • 皮膚からの吸収
  • 臭気による作業環境の悪化
  • 火災・爆発事故のリスク
  • 法令対応や管理業務の発生

そのため有機溶剤を使用する場合は、換気設備の設置や保護具の使用、適切な保管管理が必要となります。
また、対象となる有機溶剤や作業内容によっては、有機溶剤中毒予防規則有機則)への対応が必要となる場合があります。

有機溶剤を使用する際に関係する法令

有機溶剤の解説ページのサムネイル 困ったときの解説ページ
有機溶剤中毒予防規則とは
有機則は、有機溶剤による中毒や健康障害を防止するための法令です。実装工程で使用されるIPAやアセトンも対象となる場合があり、適用の有無を把握して適切に管理することが重要です。
 
 

有機溶剤を使用しない選択肢

有機溶剤代替の製品ページのサムネイル 製品情報
有機溶剤の代替製品
有機溶剤は、インキや塗料・ペースト等の希釈溶剤や各工程での洗浄溶剤として幅広く使用されていますが人体や環境への影響が懸念されています。このページでは、有機則の対象となる有機溶剤及び有機溶剤含有物を「有機溶剤」と称し、用途・洗浄対象ごとに有機溶剤の代わりとなる製品を紹介しています。

よくあるご質問

有機溶剤とは何ですか?
有機溶剤とは、他の物質を溶かす性質を持つ有機化合物の総称です。塗装、印刷、接着、洗浄など幅広い用途で使用されており、製造業では欠かせない材料の一つです。
有機溶剤にはどのようなものがありますか?
代表的な有機溶剤には、IPA(イソプロピルアルコール)、アセトン、トルエン、キシレン、酢酸エチルなどがあります。溶解力や乾燥性、安全性が異なるため、用途に応じて使い分けられています。
有機溶剤はどのような用途で使用されますか?
有機溶剤は、塗料やインキの希釈、接着剤の調整、金属部品の脱脂洗浄、電子部品やプリント基板の洗浄などに使用されます。工業分野では幅広い工程で利用されています。
IPAイソプロピルアルコール)は有機溶剤ですか?
はい。IPA(イソプロピルアルコール)は有機溶剤の一種です。電子部品やプリント基板の洗浄、脱脂洗浄などで広く使用されています。
IPAの代替を検討される場合は下記のページを参照ください!
IPA代替洗浄剤の製品ページのサムネイル 製品情報
IPA代替洗浄剤
化研テックでは、実装工程の様々な洗浄用に、IPAに代わる洗浄剤を開発しております。
フラックス、はんだペースト、3Dプリンターで使用するアクリル系樹脂などの洗浄に使用するIPAを代替したい!というお声をたくさんいただいています。
有機溶剤は危険ですか?
有機溶剤には揮発性や可燃性を持つものが多く、蒸気の吸入による健康影響や火災・爆発のリスクがあります。そのため、換気や保護具の使用など適切な管理が重要です。
有機溶剤と有機則にはどのような関係がありますか?
有機則(有機溶剤中毒予防規則)は、有機溶剤による健康障害を防止するための法令です。ただし、すべての有機溶剤が有機則の対象になるわけではありません。有機則の対象となる溶剤や作業では、換気設備や健康診断などが必要になる場合があります。
有機則について詳しくはこちら
有機溶剤の解説ページのサムネイル 困ったときの解説ページ
有機溶剤中毒予防規則で定める有機溶剤とは
IPA等、実装現場で多用される溶剤は有機則の対象となっています。実装工程に係る部分を解説しています。
有機溶剤を使用しない洗浄剤はありますか?
あります。近年では作業環境改善や法令対応の負担軽減を目的として、有機則非該当の洗浄剤や水系洗浄剤へ切り替える事例も増えています。洗浄対象や洗浄方法に応じて適した洗浄剤を選定することが重要です。
有機則に該当しない洗浄剤はこちら
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有機溶剤の代替製品
有機溶剤は、インキや塗料・ペースト等の希釈溶剤や各工程での洗浄溶剤として幅広く使用されていますが人体や環境への影響が懸念されています。このページでは、有機則の対象となる有機溶剤及び有機溶剤含有物を「有機溶剤」と称し、用途・洗浄対象ごとに有機溶剤の代わりとなる製品を紹介しています。
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