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昨今、注目を集めている導電性接着剤/銀ペーストですが、使い方を間違えると十分な性能が得られないことがあります。
このページでは熱硬化タイプと乾燥タイプを例に、[解凍]、[洗浄]、[塗付]、[硬化]の手順と気を付けるべきポイントを紹介しながら導電性接着剤の使い方を解説します。
導電性接着剤はその名の通り、電気を通す接着剤です。電気を通す成分として銀が含まれており、銀ペーストや銀接着剤などと呼ばれることがあります。 はんだ付けができない金属や樹脂にも接着することができるため、様々な用途で使用されています。 |
近年は耐熱性の低いフィルムや樹脂を使用した製品が増えているため、はんだの代わりとなる導電接着の手段として使用が拡大しています。 このページでは化研テックの開発する導電性接着剤TKペーストシリーズを例に、導電性接着剤(銀ペースト)の使用方法をご紹介いたします。 |
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加熱による樹脂の硬化反応を伴って接着するタイプの導電性接着剤です。「熱硬化タイプ」や「加熱硬化型」などと呼ばれます。導電性接着剤の中でも接着強度が高く導電性も良好です。
特に、耐熱性にも優れるエポキシ系樹脂を用いたものが代表的です。
100℃程度の加熱ができる部材であれば、エポキシ系熱硬化タイプをお勧めします。
品名 | CR-2800 | CR-5200 | CR-3520 |
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特長 | 低温硬化 | 低温硬化 低抵抗接着 |
耐熱性良好 |
用途 | ア―ス シ―ルド |
電子部品 接着 |
ダイボンディング |
樹脂 | エポキシ | エポキシ | エポキシ |
比抵抗 | 6×10-3Ω・cm | 2×10-4Ω・cm | 4×10-5Ω・cm |
伝熱特性 | ― | ― | 20W/m・K |
硬化条件 | 90℃×60分 | 100℃×60分 | 130℃×30分+ 180℃×60分 |
保管条件 | 冷凍(-10℃以下) | ||
荷姿 | 10g(5cc) シリンジ |
10g(5cc) シリンジ |
5g(3cc) シリンジ |
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[解凍] 冷凍された導電性接着剤を解凍します。密栓したまま、室温で30分以上放置し解凍してください。 開封前に容器に付着した水滴を拭き取ってください。 | |
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![]() | 解凍は室温で行います。 熱水、温水、ホットプレート、オーブン、ドライヤーなどの強制加熱をすると容器が急に加熱されて破裂することがあります。 | |
![]() | 解凍時の結露が接着剤に混入しないように注意してください。最初にふたやキャップを開けてしまうと結露が容器の中に入ってしまい、接着剤が使えなくなることがあります。 | |
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[洗浄] 接着剤を塗布する部分をアルコールやアセトンで洗浄します。 フラックスや油分があると十分な導電性や強度が得られません。 | |
![]() | 洗浄剤は完全に乾燥させます。 洗浄剤が塗布する部分に残ったままではうまく接着できないことがあります。 |
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[塗付] 過不足なく適正量を塗布します。ディスペンサーを用いると正確に塗布できます。 | |
![]() | 使用するニードルの内径は接着剤にあった適切なものを使用します。小さすぎると詰まりの原因になることがあります。 | |
![]() | 塗布後は速やかに恒温オーブンで硬化させます。塗布後に長時間放置しすぎると硬化不良となり十分な性能が得られないことがあります。 | |
![]() | 作業環境の温度や湿度により性能に影響することがあります。作業温度は25℃以下が望ましいです。 | |
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[硬化] 熱硬化タイプの導電性接着剤は加熱硬化することにより導電性が得られます。 恒温オーブンを使用して、接着剤ごとに設定された推奨硬化条件で加熱します。 | |
![]() | 加熱は一定の温度が維持できる恒温オーブンを使用します。 ホットプレートやドライヤーなどでは均一に加熱できず、十分な性能が得られないことがあります。 | |
![]() | 硬化する状態は温度、時間、塗布量、オーブンへの投入数量などで変わります。 導電性接着剤を使用する上で最も多いのが、硬化条件が適切でないために起こるトラブルです。 実際に使用する設備や材料で事前に実験し、最適な硬化条件を検討することが重要です。 | |
ペーストに含まれる溶剤成分が揮発し、乾燥・固化すると導電性が現れます。
熱硬化タイプに比べ強度は高くありませんので、ねじ止めなど別の接合方法と併用して使用されることが多いです。
常温で使えるため、極端に耐熱性がないものへの使用が適しています。
品名 | CN-7120 | CN-7122S | ||
---|---|---|---|---|
特長 | 常温乾燥 | ゆっくり乾燥 | ||
用途 | ア―ス シ―ルド |
|||
樹脂 | 熱可塑性樹脂 | |||
比抵抗 | 5×10-4Ω・cm | |||
伝熱特性 | ― | |||
乾燥条件 | 設定温度 | 投入目安 | 設定温度 | 投入目安 |
25℃ | 60分 | 25℃ | 120分 | |
40℃ | 10分 | 40℃ | 20分 | |
60℃ | 5分 | 60℃ | 10分 | |
保管条件 | 冷凍(-10℃以下) | |||
荷姿 | 15gアルミチュ―ブ |
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[解凍] 冷凍された導電性ペーストを解凍します。密栓したまま、室温で30分以上放置し解凍してください。 開封前に容器に付着した水滴を拭き取ってください。 | |
---|---|---|
![]() | 解凍は室温で行います。 熱水、温水、ホットプレート、オーブン、ドライヤーなどの強制加熱をすると容器が急に加熱されて破裂することがあります。 | |
![]() | 解凍時の結露が接着剤に混入しないように注意してください。最初にふたやキャップを開けてしまうと結露が容器の中に入ってしまい、ペーストが使えなくなることがあります。 | |
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[洗浄] ペーストを塗布する部分をアルコールやアセトンで洗浄します。 フラックスや油分があると十分な導電性や強度が得られません。 | |
![]() | 洗浄剤は完全に乾燥させます。 洗浄剤が塗布する部分に残ったままではうまく接着できないことがあります。 |
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[塗付] 過不足なく適正量を塗布します。ディスペンサーを用いると正確に塗布できます。 | |
![]() | 使用するニードルの内径はペーストにあった適切なものを使用します。小さすぎると詰まりの原因になることがあります。 | |
![]() | 作業環境の温度や湿度により性能に影響することがあります。作業温度は25℃以下が望ましいです。 | |
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[乾燥]乾燥タイプの導電性ペーストは溶剤成分を揮発させることにより導電性が得られます。 恒温オーブンを使用し、推奨条件で乾燥させてください。 | |
![]() | 加熱は一定の温度が維持できる恒温オーブンを使用します。 ホットプレートやドライヤーなどでは均一に加熱できず、十分な性能が得られないことがあります。 | |
![]() | 乾燥状態は温度、時間、塗布量、オーブンへの投入数量などで変わります。 導電性ペーストを使用する上で最も多いのが、乾燥条件が適切でないために起こるトラブルです。 実際に使用する設備や材料で事前に実験し、最適な乾燥条件を検討することが重要です。 | |
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困ったときの解説ページ
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