有機則とは「有機溶剤中毒予防規則」の略称で、労働者が有機溶剤による中毒や健康障害を受けることを防止するために定められた厚生労働省令です。
有機溶剤は塗装、印刷、接着、洗浄など幅広い工程で使用されていますが、多くは揮発しやすく、蒸気を吸入することで人体へ影響を及ぼす可能性があります。
そのため有機則では、対象となる有機溶剤や作業内容、作業環境ごとに作業主任者の選任や換気設備の設置、作業環境測定、健康診断などの実施を義務付けています。
実装工程においても、IPA(イソプロピルアルコール)やアセトンなど有機則の対象となる溶剤が使用されるケースがあるため、対象となるかどうかを正しく把握しておくことが重要です。
有機則は特定の業種だけに適用される規則ではありません。
製造業、研究開発、塗装業、印刷業などに限らず、有機則で定められた有機溶剤を使用して対象業務を行う事業者は規則の対象となります。
例えば実装工程では、メタルマスク洗浄や治具洗浄、接着剤の塗布などの作業が有機溶剤業務に該当する可能性があります。
業種や会社規模ではなく、「どの有機溶剤を使用し、どのような作業を行っているか」が重要な判断基準となります。
有機溶剤は、その毒性と蒸発速度とから有害度を決定し、有害度の高いものが第1種有機溶剤に、中程度のものが第2種有機溶剤に、低度のものが第3種有機溶剤に区分されています。
| 分類 | 物質名(赤色は実装工程で使用されることの多い溶剤です。) |
|---|---|
| 第1種有機溶剤 | 1,2-ジクロロエチレン(二塩化エチレン) 、二硫化炭素 |
| 第2種有機溶剤 | アセトン 、イソブチルアルコール、 イソプロピルアルコール 、イソベンチルアルコール(イソアミルアルコール)、エチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル(セロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(セロソルブアセテート)、エチレングリコールモノ-ノルマル-ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、オルト-ジクロロベンゼン、 キシレン 、クレゾール、クロロベンゼン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、 酢酸エチル 、酢酸ノルマル-ブチル、酢酸ノルマル-プロピル、酢酸ノルマル-ベンチル(酢酸ノルマル-アミル)、酢酸メチル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、1,1,1-トリクロロエタン、 トルエン 、ノルマルヘキサン、1-ブタノール、2-ブタノール、メタノール、メチルエチルケトン、メチルシクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノン、メチル-ノルマル-ブチルケトン |
| 第3種有機溶剤 | ガソリン、コールタールナフサ(ソルベントナフサを含む)、石油エーテル、石油ナフサ、石油ベンジン、テレピン油、ミネラルスピリット |
有機溶剤含有物( 有機溶剤と有機溶剤以外のものとの混合物で、規則の対象となる有機溶剤の含有率が5重量%を超えるもの)も規則の対象となります。
有機溶剤業務は12業務が規定されています。(黄色でハイライトした業務が実装工程と関わる業務です。)
屋内作業場等として
が対象とされています。
建屋内でIPAを使用して毎日メタルマスクを洗浄する場合で考えてみます。
使用する有機溶剤等の危険有害性を確認し、関係者に周知を徹底し、必要な対策を講じる必要がありますが、ほかにはどのような義務が発生するのでしょうか。
有機溶剤作業主任者技能講習を修了した者のうちから、有機溶剤作業主任者を選任する。
有機溶剤の蒸気の発散源を密閉する設備、局所排気装置、プッシュプル型換気装置などを設置する。
第1種および第2種有機溶剤を使用して有機溶剤業務を行う屋内作業所場では、作業環境測定(6か月以内ごとに1回実施)を実施する。
測定は作業環境測定士の国家資格を有する者が実施する必要があるため、社内にいない場合は登録を受けた作業環境測定機関に測定を依頼する。
作業主任者の氏名、職務、有機溶剤が人体に及ぼす作用等、取扱う有機溶剤等の区分の表示などを、作業中でも容易に分かるよう見やすい場所に掲示する。
有機溶剤等健康診断を実施する。
☆NOTE☆ 義務は第1種/第2種/第3種の区分や有機溶剤業務等に応じて異なります。
消費する有機溶剤等の量が少量で、許容消費量を超えない時は、所轄の労働基準監督署長の適用除外認定を受けることができます。
| 消費する有機溶剤等の区分 | 有機溶剤等の許容消費量 |
|---|---|
| 第1種有機溶剤等 | W=1/15×A |
| 第2種有機溶剤等 | W=2/5×A |
| 第3種有機溶剤等 | W=3/2×A |
| 備考
W=有機溶剤等の許容消費量(グラム) A=作業場の気積(床面から4mを超える高さの空間は除く、m 3)。 ただし、気積が150m 3を超える場合は、150m 3とする) |
|
この認定を受けていない場合は、たとえ消費量が少量であっても、作業環境測定や健康診断等の実施が必要 です。
有機則の対象となる作業を行っているにもかかわらず、必要な換気設備の設置や作業環境測定、健康診断などを実施していない場合、労働基準監督署から是正指導を受ける可能性があります。
また、有機溶剤による健康障害が発生した場合には、事業活動へ大きな影響を与えることもあります。
法令遵守はもちろんのこと、作業者の安全確保という観点からも適切な管理が重要です。
使用している洗浄剤や接着剤、塗料などが有機則の対象か判断に迷う場合は、SDS(安全データシート)を確認しましょう。
SDSには含有する化学物質や適用法令が記載されており、有機則に該当する有機溶剤が含まれている場合は関連法令として記載されています。
例としてIPAのSDSを見てみましょう。15 適用法令 の項目(赤枠内)に有機則の対象かどうか記載されています。

化研テックでは、実装工程の様々な洗浄用に、有機則に該当しない洗浄剤のご提案が可能です。
有機溶剤の代替となる製品を紹介したページでは洗浄対象(フラックス、ペースト・・など)ごとの洗浄剤を紹介しています。
ご希望の洗浄方法(手洗浄、設備を使用・・など)や、その他求めるご要望などお気軽にご相談ください!
|
製品情報
|
|---|
|
困ったときの解説ページ
|
|---|---|
|
製品情報
|
|
困ったときの解説ページ
|
*本ページに記載されている情報について、詳細および最新情報は都道府県労働局または労働基準監督署などにご確認ください。
| ご不明な点やお問い合わせがございましたら、下記のフォームよりご連絡ください。 お問い合せの内容によっては、ご返事までにお時間をいただくこともございます。 製品資料(SDS/安全データシートやTDS、取扱説明書など)がご入用の方は、「SDSなど製品資料の送付依頼はこちら」よりお問い合わせください。 |
|
| ‼ お問い合わせフォームからのセールス等は固くお断りいたします。送信いただいても対応いたしかねます。 ‼ | |
マイクロクリーナー、マークレス、パレットクリーナー、TK-PASTE、カケンスタット、化研テック HAシリーズ、KAKEN TECHは化研テック株式会社の登録商標です。