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「導電性接着剤とは」で説明したように、導電性接着剤には球状やフレーク状の銀粉が一般的に使用されています。 |
化研テックは球状やフレーク状ではない、複雑な形状をもつ銀粉を開発し、”TK銀粉”として量産しています。導電性接着剤では導電粒子の形によって導電性や物性が変化することが知られていますが、化研テックはこのTK銀粉を使用し、今までにない機能を持つ導電性接着剤を開発しています。 |
銀を使用した導電性接着剤は、抵抗が低く安定した導電性が得られますが、貴金属を使用するため高価であることが最も大きなデメリットです。 |
化研テックでは特殊な形状のTK銀粉を使用して、銀の含有量を従来の半分に抑えても導電性が良好な低銀・低比重の導電性接着剤を開発し、世界で初めて量産に成功しました。 低銀・低比重の導電性接着剤だと、コストにどう影響するのでしょうか。接着剤の中に含まれる銀の量が減るとその分コストが下がるイメージですが...詳しくは次のポイントで解説します。 |
低銀含有の導電性接着剤はコストが下がるだけでなく、銀の相場によって価格が左右されにくいためコストが安定する、というメリットもあり、すでに多くの電子機器に使用されています。 |
低銀濃度の導電性接着剤にはいがぐり状のTK銀粉が使用されています。 下のグラフから一般的な球状やフレーク状の導電粒子と比べてみると、いがぐり状TK銀粉は低濃度で導電性が現れることが分かります。 |
いがぐり状TK銀粉の配合が50w%(重量パーセント)の導電性接着剤と球状銀粉の配合が80w%の導電性接着剤がほぼ同じ導電性ですが、導電性接着剤としての比重は、いがぐり状TK銀粉を50w%含む導電性接着剤は2.1、球状銀粉を80w%含む導電性接着剤では4.0となり、ほぼ比重が半分となります*1。 これを1kgあたりの体積で比較すると、球状銀粉を使用した導電性接着剤は約250ml、TK銀粉を使用した導電性接着剤は約480mlとなります。 |
銀の含有量が少なくても良好な導電性があり、同等の導電性を持つ従来品と比べて約2倍の量の塗布ができるため、TK銀粉を使用した低銀・低比重タイプの導電性接着剤は非常に低コストの導電性接着剤となります。 |
*1エポキシ系バインダーの比重を1.2、銀の比重を10.5として計算。
銀粉形状 | いがぐり状TK銀粉 | 球状銀粉 |
---|---|---|
銀の含有率 | 50wt% | 80wt% |
比重 | 2.1 | 4.0 |
同じ重量での 接着剤容量のイメージ |
||
比抵抗(参考) | 10-3Ω・cmオーダー | 10-3Ω・cmオーダー |
いがぐり状TK銀粉の導電性接着剤は比重が2.1。同じ抵抗値の球状銀粉80wt%の導電性接着剤では比重が4.0となります。同じ1kgの導電性接着剤の体積として比較すると、TK銀粉の導電性接着剤は約2倍の体積(=容量)となります。
なぜ、いがぐり状であれば低い濃度で電気が通るのでしょうか? 導電性接着剤は「導電性接着剤とは」で解説した通り、含有されている導電粒子同士が接触して電気を通します。いがぐり状は球状に比べて空隙が多く、同じ大きさ(直径)でも、銀としての密度が低く軽い粒子であることが分かります。 |
球状銀粉では導電粒子同士が接触するのに十分でない量でも、大きさの割に密度が小さく軽いいがぐり状TK銀粉は粒子同士が接触し、効率よく電気を通す低密度のネットワークが形成されます。いがぐり状TK銀粉は低銀濃度で導電させるのに都合の良い形状と言えます。 |
いがぐり状銀粉 | 球状銀粉 | |
---|---|---|
真密度 | 10.5 | 10.5 |
空隙率 | 40~70vol.% | 0vol.% |
嵩密度 | 1~2 | 3~5 |
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