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最終更新日:2023年10月11日公開日:2021年10月8日 Contents1. はじめに2. TK銀粉を使った低銀・低比重 導電性接着剤とは2.1. ☝ポイント2.2. ☝解説3. 低銀 導電性接着剤の特長とは3.1. ☝ポイント3.2. ☝解説4. 低銀導電性接着剤の導電メカニズムとは4.1. ☝ポイント4.2. ☝解説5. 関連記事・製品 はじめに 「導電性接着剤とは」で説明したように、導電性接着剤には球状やフレーク状の銀粉が一般的に使用されています。 化研テックは球状やフレーク状ではない、複雑な形状をもつ銀粉を開発し、”TK銀粉”として量産しています。導電性接着剤では導電粒子の形によって導電性や物性が変化することが知られていますが、化研テックはこのTK銀粉を使用し、今までにない機能を持つ導電性接着剤を開発しています。 多様で複雑な形状をもつTK銀粉。独自に開発した製法により銀粉の形を自在にコントロールすることが可能です。 TK銀粉を使った低銀・低比重 導電性接着剤とは ☝ポイント ✔ 銀の導電性接着剤は、低抵抗で安定しているが、価格が高い。 ✔ 特殊形状銀粉を使用した低銀濃度の導電性接着剤が実用化されている。 ✔ 低銀の導電性接着剤は低コスト。また銀の相場変動にも価格が左右されにくい。 ☝解説 銀を使用した導電性接着剤は、抵抗が低く安定した導電性が得られますが、貴金属を使用するため高価であることが最も大きなデメリットです。 化研テックでは特殊な形状のTK銀粉を使用して、銀の含有量を従来の半分に抑えても導電性が良好な低銀・低比重の導電性接着剤を開発し、世界で初めて量産に成功しました。低銀・低比重の導電性接着剤だと、コストにどう影響するのでしょうか。接着剤の中に含まれる銀の量が減るとその分コストが下がるイメージですが...詳しくは次のポイントで解説します。 低銀含有の導電性接着剤はコストが下がるだけでなく、銀の相場によって価格が左右されにくいためコストが安定する、というメリットもあり、すでに多くの電子機器に使用されています。 いがぐり状の特殊な形状のTK銀粉。この銀粉を使用し、低銀濃度でも良好な導電性をもつ導電性接着剤の量産化に成功しました。 低銀 導電性接着剤の特長とは ☝ポイント ✔ 球状銀粉80w%といがぐり状TK銀粉50w%は、ほぼ同じ導電性。 ✔ いがぐり状TK銀粉の導電性接着剤の比重は、一般的な導電性接着剤のほぼ半分。 ✔ 比重が約1/2であれば体積はほぼ2倍となり、2倍多く使える。 ☝解説 低銀濃度の導電性接着剤にはいがぐり状のTK銀粉が使用されています。 下のグラフから一般的な球状やフレーク状の導電粒子と比べてみると、いがぐり状TK銀粉は低濃度で導電性が現れることが分かります。 いがぐり状TK銀粉は銀の含有率が小さくても導電性が良く、抵抗値が低い。TK銀粉が50wt%の導電性は球状銀粉が80wt%の導電性接着剤とほぼ同じです。 いがぐり状TK銀粉の配合が50w%(重量パーセント)の導電性接着剤と球状銀粉の配合が80w%の導電性接着剤がほぼ同じ導電性ですが、導電性接着剤としての比重は、いがぐり状TK銀粉を50w%含む導電性接着剤は2.1、球状銀粉を80w%含む導電性接着剤では4.0となり、ほぼ比重が半分となります*1。 これを1kgあたりの体積で比較すると、球状銀粉を使用した導電性接着剤は約250ml、TK銀粉を使用した導電性接着剤は約480mlとなります。 銀の含有量が少なくても良好な導電性があり、同等の導電性を持つ従来品と比べて約2倍の量の塗布ができるため、TK銀粉を使用した低銀・低比重タイプの導電性接着剤は非常に低コストの導電性接着剤となります。 *1エポキシ系バインダーの比重を1.2、銀の比重を10.5として計算。 銀粉形状 いがぐり状TK銀粉 球状銀粉 銀の含有率 50wt% 80wt% 比重 2.1 4.0 同じ重量での接着剤容量のイメージ 比抵抗(参考) 10-3Ω・cmオーダー 10-3Ω・cmオーダー いがぐり状TK銀粉の導電性接着剤は比重が2.1。同じ抵抗値の球状銀粉80wt%の導電性接着剤では比重が4.0となります。同じ1kgの導電性接着剤の体積として比較すると、TK銀粉の導電性接着剤は約2倍の体積(=容量)となります。 低銀導電性接着剤の導電メカニズムとは ☝ポイント ✔ いがぐり状は球状と比較して空隙が多い。 ✔ 空隙が多いと同じ粒子のサイズでも密度が低く軽い粒子になる。 ✔ いがぐり状の銀粉は低密度の導電ネットワークを導電性接着剤内部で形成できる。 ☝解説 なぜ、いがぐり状であれば低い濃度で電気が通るのでしょうか? 導電性接着剤は「導電性接着剤とは」で解説した通り、含有されている導電粒子同士が接触して電気を通します。いがぐり状は球状に比べて空隙が多く、同じ大きさ(直径)でも、銀としての密度が低く軽い粒子であることが分かります。 球状銀粉では導電粒子同士が接触するのに十分でない量でも、大きさの割に密度が小さく軽いいがぐり状TK銀粉は粒子同士が接触し、効率よく電気を通す低密度のネットワークが形成されます。いがぐり状TK銀粉は低銀濃度で導電させるのに都合の良い形状と言えます。 いがぐり状銀粉球状銀粉 真密度10.510.5 空隙率40~70vol.%0vol.% 嵩密度1~23~5 いがぐり状TK銀粉は先端を外殻とする同じ直径としてみると空隙率が非常に大きくなります。かさ比重も小さい、かさ高い粒子です。 かさ高いいがぐり状TK銀粉は低濃度でも導電粒子同士が接触し、低密度のネットワークを形成し通電します。一方で同じ粒径の球状銀粉では導通パスが形成できないため導電性が得られません。 関連記事・製品 困ったときの解説ページ 導電性接着剤(銀ペースト)とは 昨今、ますます注目を集めている導電性接着剤。電気を流す仕組み、導電性接着剤の種類、はんだや一般的な接着剤との違いから「なぜ導電性接着剤が必要なの?」といった点まで解説しています。 困ったときの解説ページ 導電性接着剤/銀ペーストの使い方 昨今、注目を集めている導電性接着剤/銀ペーストですが、使い方を間違えると十分な性能が得られないことがあります。熱硬化タイプと乾燥タイプを例に、[解凍]、[洗浄]、[塗付]、[硬化]の手順と気を付けるべきポイントを紹介しながら導電性接着剤の使い方を解説します。 製品紹介 導電性接着剤 TKペースト 化研テックの導電性接着剤シリーズのご紹介です。化研テック独自の特殊形状銀粉を使用し、低銀濃度でも導通を確保できます。 製品情報 導電性接着剤 TKペースト CR-5200 モバイルやウエアラブル機器の進化によって、軽くて薄い樹脂やフィルムなどを使った部品が増えています。それらの部品は熱に弱いため、はんだが使用できない事例が増加しています。化研テックのTK PASTE CR-5200は低温硬化型の1液エポキシ樹脂タイプとして、耐熱性が低い部品や回路の導電接着用として開発されました。特殊形状のTK銀粉を使用した低抵抗で信頼性にも優れた導電性接着剤を紹介いたします。 お問い合わせ 日本国外の方は英語ページでお問い合わせください。 ご不明な点やお問い合わせがございましたら、下記のフォームよりご連絡ください。 SDSやTDS、取扱説明書をご希望の方は「製品資料の送付依頼はこちら」からご連絡ください。 営業担当者にて確認の上、ご連絡いたします。 製品資料の送付依頼はこちら ‼ お問い合わせフォームからのセールス等は固くお断りいたします。送信いただいても対応いたしかねます。 ‼ JavaScriptがオフです。オンにしてアクセスして頂くと、問合せフォームが表示されます。 一覧に戻る
これを1kgあたりの体積で比較すると、球状銀粉を使用した導電性接着剤は約250ml、TK銀粉を使用した導電性接着剤は約480mlとなります。
*1エポキシ系バインダーの比重を1.2、銀の比重を10.5として計算。
いがぐり状TK銀粉の導電性接着剤は比重が2.1。同じ抵抗値の球状銀粉80wt%の導電性接着剤では比重が4.0となります。同じ1kgの導電性接着剤の体積として比較すると、TK銀粉の導電性接着剤は約2倍の体積(=容量)となります。
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