はじめに

ブツ不良は、塗料に起因する塗ブツの他、ほこり・繊維くず・虫等の微小物、および静電気による静電吸着によって事態がより深刻になる傾向があり、解決には周辺環境の状況把握と観察が必要となります。

塗料および塗料缶に起因したブツ事例

  1. 塗料缶の天板に付着堆積したホコリの塗料への混入。
  2. 塗料缶の天板を缶切で解放し、手持ちの撹拌機で撹拌した際に撹拌翼が塗料缶内壁を削った。
  3. 2液ウレタン塗料の硬化剤缶から必要量を採取し、窒素パージせずに蓋を閉じて保管したために、硬化剤の一部が缶内で硬化した。

調合タンクおよびその周辺設備に起因したブツ事例

  1. 2液ウレタン塗料を調合する塗料供給タンクに接続された局所排気ダクト内に結露した水が供給タンク中に混入し、硬化剤(イソシアネート)と反応しブツとなった。
  2. 塗料ろ過メッシュ取替え時にメッシュに残存した凝集塗料が脱落混入した。

塗料供給経路に起因したブツ事例

  1. 塗料配管中のボールバルブのボールとハウジングの間のデッドスベースで塗料が堆積硬化。(デッドスペースのないバルブの選定またはバルブ半開状態での洗浄)
  2. 真鍮製ボールバルブとステンレス配管の繋ぎ目で異種金属接合起因の電位差が発生し、水系塗料が凝集。
  3. 塗料供給配管の無洗浄長期使用により、配管内に塗料沈降ブツが発生。塗料配管洗浄後でも洗浄不足の場合、堆積塗ブツが脱落吐出する。強力な塗料配管洗浄剤を用い、長年の堆積塗料を数日に渡って徹底的に洗浄し続けることが必要である。
  4. 塗料送液用ダイヤフラムポンプ内のデッドスペース(出入り口付近)に塗料沈降ブツが発生。
  5. 水性塗料を高圧エアー押出し後に水洗浄したがブツ発生(水性塗料は一端乾くと水に再溶解しない)。水性塗料を使用したハケは直ちに水中に沈め、"数十分放置⇒水洗"を繰り返すと良好に再使用できる
  6. 2液ウレタン塗料でのスタティックミキサー部位では、必ずゲル・ブツが発生する。(要観察)

塗装ブースおよびその周辺環境に起因したブツ事例

  1. ほこり除去のためのスプレーエアーによって樹脂部品がより静電気を帯びる結果となり、ゴミを静電気吸着。
  2. 塗装ブース内の湿度管理ができず、低湿度雰囲気下で塗装し、ホコリを静電気吸着。
  3. 静電気除去装置の電極に堆積したゴミが脱落。
  4. 塗装ブースのハウリング(定期振動)により、塗装ブース天板等に付着した塗料の粉が脱落。
  5. 粉々になり易い塗料が付着堆積したスノコや塗装治具に向かって捨て吹きした風で粉状塗料が飛散。
  6. 塗装ブースの出入りに使用されるドアとドア枠の間に堆積したほこりが脱落。
  7. 塗装ブースや塗装準備室にBOXティッシュやロールペーパーを持込。(切断面が防塵処理された不織布が良い)
  8. 塗装ブース水の発泡抑制のため、排気ファンの能力を低下させた状態で塗装し、塗装時の塗料ミストがブース内を飛散。
  9. 塗装ブースへの給気量が少なく、建屋の扉を開けた時に部屋中のほこりや外部からのほこりが塗装ブースに向かって飛散。

その他

  1. 側溝等の水たまりに発生した蚊。 (ハエや蚊が蛆虫から羽虫に羽化できなくする農薬が上布されている)
  2. 塗装室周辺の街路照明に虫が集まった。 (UVカット照明とUV照明の使い分けが必要)
  3. 静電服を屋外に天日干ししたり、軍手と一緒に洗濯・乾燥したために静電服に糸ゴミやホコリが付着。

参考)静電気

成形用樹脂ペレットには帯電防止剤等が練り込んであり、成形機等での樹脂ペレット取扱時に静電気が帯びにくいように設計されている。
さらに成形品が帯電しないようにカーボン、アセチレンブラック等が練り込まれることもある。

静電気の帯びやすさの指標として帯電列が示されている。
湿度約60%以下の環境下では、空気との摩擦ではほとんどの樹脂は(-)に帯電する。
布と樹脂では、それぞれの材質の帯電列によって(+)や(-)に帯電する。

空中で静電気圧が数kVの樹脂ワークを、物の上に置くと静電気圧は0V近くまで低くなる。再び空中に位置すると数kVを示す。 ワークが空中にある時の電気力線は四方八方に向かっているが、物の上では電気力線が物に向かっているために見かけ上、帯電量が低くなるだけで、除電しないと帯電量は変化しません。即ち、樹脂ワークを金属の棒状治具等で支持するとワーク表面の静電気圧は高く、静電気除去エアー等での除電をしないとゴミ等を静電気吸着することとなる。 (ただのコンプレッサーエアーは除湿されており、ホコリ払いの風で静電気圧がかえって高くなることもある) 他方、ワークを面状の治具で支持する場合、ワークを治具からとりはずした直後に高い静電気圧となり、ゴミ等を静電気吸着することとなる。ワイピング洗浄用治具から塗装用の治具にワークを載せ替える時も注意が必要である。

冬季には湿度に注意されると共に、静電電位測定器で帯電状況を把握し静電気対策されることを強くお勧めします。

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