はじめに
「手指消毒用アルコール」や「アルコール飲料」など、日常生活でよく耳にする「アルコール」ですが、具体的にどんな成分、どんな性質をもったものか分かりますか?
アルコールとは
①炭化水素の水素をヒドロキシ基(-OH)で置換した構造の化合物の総称
②エタノール(エチルアルコール)のこと
という大きく2つの意味を持ちます。
このページでは、①総称としてのアルコールについての解説をいたします。
なお、②エタノール(エチルアルコール)のこと については別のページで解説しております。
アルコールとエタノール②
工業用アルコールと呼ばれるエタノール
はこちら
代表的なアルコール
アルコールの代表例を紹介します。
アルコールの代表的な性質
水溶性
アルコールは、親水性であるヒドロキシ基(-OH)を持っているため、エタノールなどの低級アルコール*やグリセリンのようなヒドロキシ基(-OH)の多いアルコールは水に溶けやすい性質を持っています。炭素数の割合が多くなると、炭化水素の性質が強くなり水に溶けにくくなります。
*アルコール分子中の炭素原子が少ないもの(一般的に炭素原子数が5以下)を低級アルコール、多いものを高級アルコールと言います。
沸点・融点
アルコールは分子量が同程度の炭化水素と比較すると、沸点や融点が高い傾向にあります
アルコールの分類
価数による分類
アルコール分子の中のヒドロキシ基(-OH)の個数をそのアルコールの価数と言い、一価アルコール、二価アルコール、三価アルコールに分類されます。
ヒドロキシ基(-OH)の個数が分かりやすいように、赤色にしています。
このようにヒドロキシ基(-OH)の数で分類されるのが価数です。
級数による分類
アルコール分子中のヒドロキシ基(-OH)が結合している炭素原子(C)に結合している炭素原子(C)の個数によって、第一級アルコール、第二級アルコール、第三級アルコールに分類されます。
*化学の分野でいう第一級アルコール~第三級アルコールは、濃度や価格を分類するものではありませんので注意が必要です。